あれはもう20年くらい前のことだったと思うのですが、
まるでセピア色にかすんだスクリーンの一場面のように思い出されます。
ある冬の日、当時はまだ 私と先生(司法書士の堀江)の二人の小さな事務所で、
私は留守番のようなもので、 先生が外に出て行かれることの方が多かったのですが、
その日は偶然、先生もいらっしゃって、「トントン」と扉をたたく音がしましたので、出てみますと
そこには着物姿で防寒着を着られたご婦人が立っておられました。
いかにもお金持ちそうに見えました。
すぐに招き入れて応接テーブルの向こうに先生と対座していだたくと
そのご婦人は、抱えていた茶封筒からおもむろに真新しい権利証を出されました。
そして名義人の名前を指さして、
「主人の名前の字が間違っております。こんな権利証を主人には見せられません。
司法書士たるもの一字一句間違ってはならないものではありませんか… 」 と 言われました。
私も先生もギョっとして覗き込むと 酷似してはいるものの確かに違っていました。
何人ものチェックの目をかいくぐって 最後まで気づかない ということが稀に起こるのです。
後日、お名前の字を更正して、先生が菓子折を持って権利証を届けられ、
一件落着したのですが。
人間ですから間違えることもあるでしょう。
司法書士業務の域を云々するのではなくて、
職業意識を喚起させる出来事として 時々思い出すのです。
昨今のような時代になっては もはや笑い話になってしまいましたが… 。
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